白千鳥

作/工藤 隆  演出/高田一郎

〈あらすじ〉
 −お前個人に恨みはないよ。食えぬ者である俺が、食えているお前から奪う。ただ、それだけのことだ−
 「出会い」「めぐり逢い」「別れ」。こうした言葉は、人々に様々な連想を起こさせる不思議な響きを持っています。
 小林竹彦、天下に名だたる国語辞典『大辞林』の苦情処理係である。大辞林にも誤字、脱字、その他諸々の間違いがあり、それらの苦情をただ、ひたすら謝るだけの孤独な仕事であった。小林は、そんな仕事を通していろいろな人と奇妙な関係を持つことになる。例えば、たった一度、漢字を間違えたことによって中産階級から追われてしまう男、孤独をまぎらわす為にひたすら『大辞林』のミスや疑問にこだわる男。小林の知らない世界で生きている人間達との出会いであった。
 「再開」−この芝居はそんな毎日を送っている、小林が、ある日偶然昔の仲間と再会するところからスタートする。この二人にどんな過去があり、どんな別れがあったのか。
 「再開」という言葉の響きは、どのような意味を持ち、どんな予感を与えるのでしょうか・・・・。

”倭は国のまほろば”・・・・。
ヤマトは僕にいのちを与えてくれた。
でも、今、僕からいのちを奪おうとしているのも
ヤマトなのではないでしょうか。

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1982年6月
渋谷ジアンジアン

出演
中田浩二・兼本新吾・
名和慶子 他