〈あらすじ〉
 昭和48年末起きた石油ショック、その煽りを受け、ある運送会社が倒産寸前に追い込まれていた。
 そんな折も折り、ある社員が事故死し、保険金が舞い込んだ。こんなに簡単に手に入るのならと、社長始め、常務、専務までが手を組んで、友人、知人に保険を掛け、殺して保険金を騙し取ることを思いたった。
 ところがこの計画、稚拙な手口にもかかわらず、一つ、二つと成功してしまう。
 気を良くした社長らは、馴染みの薄い社員達を同じような手口で殺すことを計画。
 かくして、被害者も加害者も全て自社内で賄うという前代未聞の『殺人会社』が誕生した。
 『殺人会社』のスタッフ達が次なる計画を練っている頃、社長が出資している豊橋のバーが焼け、女主人が焼死体となって発見された。しかも、彼女は一億八千万の保険に入っており、何と受取人は社長の妹なのである。
 さすがにここまで来ると噂にならない方がおかしい。
 地元の新聞が騒ぎ始めた。
 警察も間もなくやって来るだろう。
 やむなく彼らは逃亡の旅に出た。
 昭和54年4月1日。
 タクシーを降りた40才の社長と35歳の常務は灼熱の太陽を浴びながら台北空港の平たい建物へ向かって歩き出した。 かれらの30日に及ぶ死に至る旅が始まったのである。
旅人たちの南十字星
原作/佐木隆三  脚本/武重邦夫  演出/藤田 傳
『日本人やめたって、人間やめたわけじゃないわい』
血をたぎらせ、激動と混乱の時代を駆けぬけていった男達・・・
・・
1986年8月
新宿紀伊国屋ホール

出演
中田浩二・兼本新吾・
名和慶子・市田章子
宮下良子・加藤京子・
森光純子 他
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創立10周年記念公演 その1